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宇沢弘文講演会に参加して

 11月25日というと、約1ヶ月前になりますが、FCCフォーラム主催の特別講演会「社会的共通資本と土木」~明日の社会資本のあり方を考える~By宇沢弘文氏、に参加しました。
非常に感銘を受けましたので、私の感じたことをアップします。

 まず、全体の価値観ですが、「社会的共通資本は、ひとつの国ないし特定に地域に住むすべての人々が、ゆたかな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力ある社会を持続的、安定的に維持することを可能にするような自然環境や社会装置を意味する。」(注1)とあって、市場原理主義とは明確に異なります。当然のことではありますが、今のアメリカ金融資本を中心とした市場原理主義の破綻(実は金融資本は破綻していないが)を見るに、この根本の価値観がが大切であると思います。

 日本の農業を支えてきたのは、長い年月をかけてつくられてきた灌漑システムで、このシステムの形成に重要な役割を果たしたのが空海であったそうで、初期の建設技術もさることながら、利用者みんなで管理していくシステム(コモンズの原則)を、中国から学んで日本に伝えたといいうことです。

 質問で、「日本では、鉄道事業は、公共交通といわれながら、独立採算で経営が苦しい、自動車の社会的費用の考えた方から、どのようなことが考えられるか」に対して、ストラスブールの例を紹介されました。「ストラスブールでは、自動車交通による町並みの破壊と混乱が深刻になっていたが、LRT敷設に転換を図った。それは、周辺の自治体を合わせ、CUSという共同の自治体を形成していて、行政権限と徴税権を有していたので、CUSの意志決定に基づき、徴税、事業の決定・実施が出来たことによる。」
 日本でも、国の縦割りでなく、地方に財源と権限を委譲し、広域で共同の自治体(州)を形成することにより、都市を総括的に見て作っていくことが出来ると思いました。
 そしてもう一つあります。ストラスブールの続きですが、「しかも各分野の担当者たちが、それぞれの専門分野の問題に関するすぐれた職業的専門家であり、常に市民の立場にあって、都市計画を策定し、絶えず市民との対話、接触を通じて、その意見を聞き、説得しながら都市計画を実行に移してきたことである。」(注2)

 大阪でも、先輩たちが、いろいろ制約はありながらも、大阪地方計画、に見る、大阪をどのような都市にするかについての明確な計画・構想があり、その基で、大阪地帯構想、基盤施設としての、十大放射三環状線計画、鉄道網計画を立て、実行に移してきた輝かしい実績がある。
 これをどう、次代の人が受け継ぎ、発展させていくかが問われていると思います。(TKAM) 

(注1)「21世紀の都市を考える~社会的共通資本としての都市-2」宇沢弘文他2名編、東京大学出版会、p11
(注2)「社会的共通資本と土木」宇沢弘文著、講演会当日資料(土木学会誌第93巻第1号より) 
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theme : 政治・経済・時事問題
genre : 政治・経済

tag : 宇沢弘文 社会的共通資本 職業的専門家 LRT

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